毎朝、
夫を仕事に送り出す時。
玄関先で必ず、
私が言うこと。
「頑張り過ぎないでね。
70%の力でいいからね。」
「マラソンだよ。
100メートル走みたいに
全速力でやったら続かないよ。」
「うん、わかった」と
軽くハグして出かける夫。
私達うつ病患者は
頑張るなと言われても
つい頑張り過ぎてしまう。
真面目な性格もあるだろう。
「助かるわ〜」と言われる喜びも。
自分が誰かの役に立てたと感じると、
嬉しくてもっと頑張ってしまう。
自己肯定感が低いから？
承認欲求？
人の２倍３倍働かないと
認めてもらえないと思い込んで
常に120%の力で
頑張り続けてしまう。
最初のうちはそれで
周囲の人も喜んでくれるが
そのうちそれが
当たり前になって
あまり感謝されなくなる。
もっと頑張らないと
認めてもらえないんだと
自らに高いハードルを課し
ついつい無理をしてしまう。
例えて言うなら
引っ張り続けたゴム。
ある時、プチンと
切れてしまう。
いつまでも頑張り続けることは
不可能だ。
無理をして頑張った疲労が
身体にも心にも蓄積している。
もう頑張れないと
心が折れてしまった時
世間の人の反応は
けっこう冷たい。
頑張る私を見慣れているので
頑張れない私を
怠け者とみなす人もわりといる。
みんなも忙しいから
私が頑張れなくなったら
周りに皺寄せがいくから
うとまれても仕方ない。
だけど、とても悲しい。
切れてしまったゴムや
折れてしまった心は
気合いでは元に戻らない。
休まなくてはならない。
数ヶ月や数年単位で。
たくさん休んでも
通院治療を続けても
そう簡単には治らない。
そうすると
職場にはもう
私の居場所はなくなる。
仕方ない、
みんな忙しいから。
だけど、
生活があるから、私も困る。
だからこそ。
初めから頑張らないことが大切。
70%の力で十分。
決められた勤務時間で
決められたタスクをこなして
細く長く勤めること。
「すごいねー」
「助かるわー」
という反応を求めないこと。
「こいつは使えるやつだ」
と思われてしまったら
担当外の仕事まで
次々に押し付けられてしまうから。
世の中には、
ほめておだてて
何でもやらせようとする
ズルい人々がたくさんいる。
自分が楽をするために。
だから、
必要以上に
「できる人」と思われない方が
無難に働き続けられる。
短期間ですごい成果を出して
疲れて欠勤や遅刻が増える人よりも
仕事は人並みでいいから
毎日休まず働いてくれる人の方が
評価されるのが常。
私は
頑張り過ぎて、潰れた。
夫も、その繰り返しだった。
今の仕事は楽しいと
夫は言う。
上司も同僚も親身になってくれて
和気あいあいとした職場だと。
だからこそ、
長く働き続けてほしい。
お金も大事だが
夫にとっての居場所として、
私以外の人々と接する場所として、
社会とのつながりを感じる場所として、
今の職場でずっと
働き続けてほしいと思う。
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