うつ夫婦のつれづれ日記

うつ病患者同士が結婚すると、どうなるか。日々の様子や夫婦喧嘩、生活の工夫などを綴っていきます。

看病されたことがない夫

夫がコロナ陽性になってから

私も陽性になるまでの数日間、


狭い2LDKの中で

どうにか寝室を分け、


トイレと洗面所以外は

ここから出ないように厳しく伝えて隔離し


食事やおやつ、飲み物、

着替えの差し入れ等

身の回りの世話を

かいがいしくやっていた私。



今まで夫はうつ病以外に

身体の大きな病気にかかったことがなく


むしろ私の方が結婚以来

様々な病気を患うようになり

寝込むことが多かったので



今回初めて

私の方が元気(当時)で

寝込む夫の看病をしました。



数日経って

夫が少し回復してきた頃

こんな会話をしました。



夫「たまちゃんも僕の気持ちが

  わかったでしょう?」


私「え?何が?」


夫「看病する側の気持ちだよ」


私「えっ……。」

 (一瞬絶句した理由は後ほど)

 
 「ほっしーこそ、私の気持ちが

  わかったんじゃない?」


夫「え?何それ?」


私「病気で寝込む人の気持ちだよ。」


夫「あぁ、それね〜。」


私「看病されて嬉しかったでしょう?」


夫「そうだね〜」


私「あの状態の人を
  
  放っておいちゃいけないなって

  
  わかったでしょう?」


夫「そうだね……。」



結婚してまだ1年くらいの頃、

私達は喧嘩ばかりしていました。



何せ生まれ育った国も文化も

言語も違うし、


互いの食べ物の好みも

されたら嫌なことも

まだまだ手探り状態で


自分にとっての「当たり前」が

全然当たり前じゃないことに気付かぬまま

相手を責めてしまったり、


夫にとって理解が難しい

日本語の慣用句や生活習慣などを


一つ一つ噛み砕いて

説明しなければならないもどかしさがあったり、


私は私でハードな仕事と

結婚生活という新たな環境の両立、


とりわけ慣れない異国に一人で来た

夫をサポートする大変さ(諸手続き含む)等で


いつも時間も心の余裕もなく

イライラしていたこともあり、


些細なことでぶつかっては

大喧嘩に発展していた日々でした。



「何で?

 こんなに手厚くサポートしてるのに、

 何が不満なの?

 私、もうこれ以上頑張れないよ……」



と、毎日悲しかった……。



夫は夫で、

日本という異国の地で

言葉も文化も食べ物もシステムも

何もかも違うことに困惑し、


家族や友人知人とも遠く離れ、

孤独と不安でいっぱいだったようで



唯一頼れるパートナーである私と

喧嘩してしまうと

居たたまれなくなったためか



何度も家出を繰り返していました。



ある年のお正月休み、

私が40℃の熱を

3日連続で出して寝込んだ時も、


夫は全く看病してくれず、

いつも通り趣味を楽しんでいました。



私はそれがとてつもないショックで、

不満を夫にぶつけました。



すると、夫は怒って

家出してしまったのです!


確か1週間くらい

帰って来なかった。



何て冷酷な人と結婚してしまったんだ、

これなら独身のままでいれば良かった!



……と悲しみに暮れながら、


お正月休みが明けた後、

40℃のまま一人で病院を受診しました。



あの時は本当に悲しかったし、


心のどこかにずっと引きずって来ました。



今回のコロナ感染までは。



「だって僕は看病なんて

 されたことがないもん。」


と、恥ずかしそうに笑った夫。



その時、

やっと私は理解したんです。



今まで夫が


「僕はたまの看病を頑張ってる」


と言うたびに、



「え?何もしてもらってないけど?


 よく言うよ!」



とムカついていたのですが、



今思うと、夫は夫なりに

頑張ってくれていたのだと。



国や文化の違いもあるでしょうが、


複雑な家庭環境で

苦労して育った夫は


病気の時でも

家族に優しく看病してもらった経験が

ないというのです。



まぁ、私の家庭環境も

決して恵まれてはおらず、


厳格すぎる母親に知られまいと

怪我を隠したりしていましたが、



それでも病気の時は

食事や着替えを手伝ったり

すぐ病院に連れて行ったり


「看病」という語で思い浮かぶ

普通の対応はしてくれました。



だから、私の頭の中には、


具合の悪そうな人が身近にいたら

これくらいはして当たり前、という

「常識」が強く根付いていました。



……が!



私の「常識」や「当たり前」と、

夫の「常識」や「当たり前」は


中身が全然違うんですよね!



別の人間だから、

それこそ「当たり前」の話ですが。



夫はただ単に知らなかった。


具合の悪そうな人には、


ゆっくり寝られる布団を敷いてあげたり、


消化の良い食事を用意したり、


アイスノンやタオル、体温計、着替え等を

差し出したり、


換気や手洗いうがいを促したり、


病院に連れて行ったり、


119番に電話したりする必要が

あるということを!!



本当に知らなかったようなんです。



これは日本人であっても、

育った環境によっては

そういう人も結構いそうです。


家庭環境のみならず、

地域差などもありますよね。



ただ、私が大病を患って

入院や手術を繰り返した頃から、


夫は少しずつ病人としての私に慣れ、


私のしてほしいことや

してほしくないことを理解し、


寄り添ってくれるようになって来ました。



今回のコロナ感染で

私から受けた看病が

相当心に沁みたらしく、



私が発症してからは

夫が率先して私を看病してくれました。



根は優しい人なので、

やり方さえわかれば、

どんどんやってくれるんですよね。



今ではお互いの好きな食べ物も知っているし


ちょっとした表情の変化で

相手の気持ちを察することも増えたし


仲直りの方法もわかっているから


めったに大喧嘩には発展しないし




結婚してから数年経って、

ようやくここまで来たか、私達……!



と、

しみじみ思ったのでした。



ケアし合える家族ができて、

本当に幸せだと感じています。



ずっと一人で肩肘張って

生きて来たから……。



家族のありがたみを

夫と結婚してからいつも感じています。



温かいコメントをくださった皆様、

ありがとうございました。



おかげ様で夫はほぼ回復し、


私もだいぶ症状がおさまって来ました。


このまま2人とも元気に

長生きしたいなぁと、

心から願っています。



皆様も、お身体どうぞ大切に……。


いつも読んでくださって

ありがとうございます♪





あなたのクリックが励みになります^ ^

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ うつ病(鬱病)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 家族ブログ 仲良し夫婦へ
にほんブログ村

にほんブログ村 家族ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログ おうちグルメへ
にほんブログ村