うつ夫婦のつれづれ日記

うつ病患者同士が結婚すると、どうなるか。日々の様子や夫婦喧嘩、生活の工夫などを綴っていきます。

うつ病患者が働くということ①

夫が最近、悩んでいます。



仕事のストレスで疲れが溜まり、

身体のあちこちが痛くなり、

突然の早退や欠勤が増えて来ました。



いつの間にか口数が減り、

自分の中に引き篭もるような感じで、



私が何か話しかけても反応が薄く、

ささいな気持ちのすれ違いが

大きな夫婦喧嘩に発展して、



それをきっかけに爆発して大ごとになり、

またシフトに穴を開けることになり。



昨日はついに上司から

注意されたようです。



「うつで辛いのはわかる。

家庭でいろいろあるのもわかる。



だけど、こう頻繁に休まれては困る。



他の人もみんな、

病気や家庭など様々な事情を抱えて

働いているんだから。



本当は新しい業務を教えたいのに、

これでは任せる気になれない。



今ではもう、

きみは他の人々の間で

『休む人』と思われてるよ。」




夫はとても落ち込んでいました。



やっと見つけた仕事。

昭和的な温かみのある職場。

育ててくれようとする上司。

ニコニコ可愛がってくれる同僚達。




少し前までは、

イキイキと働いていた夫。



自分の力でお金を稼ぐ達成感。

生活費を自分も負担するんだという使命感。

給料日に私にご馳走する楽しみ。



私以外のコミュニティに所属する安心感。

褒められたり、頼りにされる喜び。


自分は周囲に必要とされている実感。

社会に貢献できているという自信。



そういう「やりがい」が、

夫が働くモチベーションになっていました。



しかし、悲しいことに

うつ病が夫を蝕み、

体調の波を抑えることは困難です。



頑張りたい気持ちはあるのに、


起き上がれない。

頭がボーっとする。

ささいな行き違いで傷つく。

自分はダメだと思い込み、

自己否定のループにはまって落ち込む。



さらに、夫は外国人なので、

うまくいかない時に、

母国と日本を比べてしまい、

母国に帰りたくなってしまうようです。



私は、翻訳アプリに

夫の母語で気持ちを入力してもらいました。

夫の素直な気持ちが知りたかったから。



私がもっと夫の母語

できたらいいのに。


いくら勉強しても、

中級レベルから抜けられず、

夫の母語で全てを理解することは

できません。



夫が打ち込んだ文章を

日本語に翻訳すると、



「絶望しかなくて、

どうやって生きていけば良いか

わからない。」



と、ありました。



私は温かいお茶を入れて、

夫に柔らかいクッションを抱きしめさせ、

隣に座って話を促しました。



夫は、気持ちや考えを

言葉で表現するのが苦手です。



母語ではない日本語で

気持ちを余す所なく表現するのは

ハードルがさらに上がります。



そして、夫の生育環境が悲惨だったため、

おそらく夫は、今まで誰からも



「きみの気持ちを聴かせて」



と聞かれたことがなかったのだろうと

私は感じました。



彼の周りにいた大人達は、

自分の言いたいことだけを

一方的に捲し立てるばかりで、



彼は聞き役に徹するしか

ありませんでした。


だから彼は自分の気持ちを

言葉で表現する機会があまりなく、



言葉にならないモヤモヤした気持ちは

マグマのように溜まり続け、

限界を迎えるたびに大爆発を起こして


仕事も人間関係も

長続きしないことが

多かったのかもしれません。



お茶とクッションで心が和らいできたのか、

夫はぽつぽつと話し始めました。


日本語で。




「どんなに日本語ができても、

何年日本で生活していても、

やっぱりここは僕にとっては

外国なんだよね。」



「故郷に帰りたい気持ちが強くなって、

辛くてたまらなくなる。」



「僕には頼れる実家も学歴もお金もないから、

母国に帰ったとしても、

家も仕事も見つからないだろう。」



「帰る場所なんてないのに、

帰りたくなるんだ。」



「日本でもダメ、母国でもダメなら、

僕はどうやって生きていったら

良いのだろう?」



「希望が見えなくて、

絶望しかなくて、辛い」


長くなってきたので、

次の記事に続きます。




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